「小さないのち」日々のささやき--少しでも救いを求めて
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坂下裕子の不定期日記 日々のささやき
小さないのちの取り組み
立石由香から事務局だより
Pfizer
2017年11月10日
少しでも救いを求めて
病院で遺族ケアの研修を担当し
ナラティブ(意味づけ)の解説をする上で
なにか身近な例、ないかなあ、と考え
そうだ!と
前回書いた、JRの70分遅れが浮かんだ。

「意味づけ」の仕組みは、
2つ以上の出来事を、結びつけて、筋立てること。

どのように関連付けるかで、全体の意味が違ってくる
ということを、遺族うんぬん以前に
ふつうに、誰でも、日常的にしている と話した。

例えば
  昨夜、近くを走る電車が故障したため、私が乗った電車も止まり、
  70分間も、車内で立ったままになった。
  夜の11時を回り、体はクタクタで、気分は最悪だった。
 
けれども、不思議なことに
途中で「意味」が変わった。
それは、こうだった。

  車両故障のため、車内で70分も立ったままになった。
  体はクタクタ、気分は最悪になっていったが、
  ふと周りに目をやると、誰一人、不満を口にしていない。
  さらに、電話をするには、口元に手を当てて小声で話し、
  わざわざホームに降りて行って、かける人もいて
  マナーの良さに、驚くとともに、胸が温かくなるのを感じた。
  もし、もっと大変なことがここで起きていたなら…
  この人たちは、譲り合うんじゃないか?
  この人たちとだったら、助け合って、乗り切れるんじゃないか?
  そんな想像が働いて
  体力の限界だというのに、いい夢を見た気さえした。

上記の2つの異なる「筋」に対し、
実際に起きている出来事は、同一のもの。

・電車が止まってしまった
・立ったまま70分間待たされた
・疲れ果てていった

ところが、どう結び付けていくかによって、
描き出されるストーリーは、まったく別のものになっていく。

この説明に対し、この事例がわかりやすかったようで
きょうまた、
車両故障の一件に対する「筋立て」が、もう1つ増えた。