「小さないのち」日々のささやき--人間観察
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坂下裕子の不定期日記 日々のささやき
小さないのちの取り組み
立石由香から事務局だより
Pfizer
2017年03月29日
人間観察
ダンナが入院ちゅう、につき
病院で待つことが多い。

ベンチに腰掛け、ただ待つだけの時間に
無意識のうちにも、私は人々の動きを見ていた。

一人の患者さんが通り過ぎた。
別の患者さんが、小走りで
いま通り過ぎた患者さんを追って行った。

追いついて、
トントンと肩をたたき、何かを手渡した。
何か、落としたものを拾って
追いかけて来てくれたらしい。

「落とし主」は、少し驚き、
ひと言お礼を言って受け取り
背を向けたときに、真顔となった。
これ、ふつうの光景。

私には、「届け主」の光景のほうが
興味深かった。

渡したあと、満面の笑顔だった。
「ありがとう」か何か、
お礼を言われたことへの反応として。

あー、ちょっと違うかな。

「ありがとう」と言ってもらえたか、どうか
にかかわらず、だったのかもしれない。

物を落とした人に気付き
拾いに行き
落とし主に追いついて
届けることができた
そういう果たせた役割に、喜びを感じることができる、
善意の生き物なんだなあ、人間は。

その笑顔は、
もと来た方向に戻っていく中も、ずっと続いていた。

人の役に立てる喜びは
健康で、元気なとき以上に
病気で、誰かの世話になっている中のほうが大きい
というのは、私自身、闘病中に実感した。